【コロンビア大学教育大学院在校生インタビュー!】
α欧米大学院ゼミ!

2014年11月2日、ゲストにコロンビア大学教育大学院生をお迎えし、現在の勉強内容や出願までの道のりについてお伺いしました!今回のインタビューを特別公開!教育大学院に興味のある方、欧米大学院出願を検討中の方は必見です!
ゲストプロフィール
桔梗 哲也(Tetsuya Kikyo)
コロンビア大学教育大学院博士課程に在籍。
入学前は、関西の個別指導塾のスクール運営責任者として、小学生から高校生までの学習支援を7年間行う。その中で、生涯を通じた人の学びが支援出来る教育者になりたいと考えるようになり、2013年秋よりコロンビア大学教育大学院へ進学。現在大学院では、成人教育とリーダーシップというコースに所属し、生涯学習、成人教育、高等教育、リーダーシップなどを学んでいる。
インタビュー内容
◆前職と大学院進学のきっかけ
Q1. なぜ大学卒業後、塾を運営する会社に入ったのですか?
A1. 学生時代にずっと野球をしていて、監督に「将来は監督になれ」と言われて教育者の道を考え始めたからです。
Q2. 会社では何をされていたんですか?
A2. スクール運営・経営・講師の管理がメインの仕事をしてました。学校の校長になるより、小さくてもいいからスクール運営の責任者を目指したかったんです。
Q3. 実際に講師を採用するときの基準はありますか?
A3. 弱者差別をしない人である、というのは絶対条件ですね。学校の勉強についていけない生徒が多かったので、そういう子の気持ちに寄り添える人かどうかが重要でした。
Q4. 塾講師に応募してくる人はどんな人が多かったですか?
A4. 自分の大学受験の経験を生徒に活かしたい人ですね。それから、当然ですが先生になりたい人も多かった。
Q5. なぜ大学院行きを決めたのでしょう?
A5. 塾ではずっと、頑張って大学に入学しても3日で辞めてしまうような勉強が苦手な子と関わっていました。そんな中、「では、誰がドロップアウトしてしまった生徒たちをサポートしていくのか?」という課題を感じたんです。それが生涯学習を勉強していこうと思ったきっかけ。
Q6. ドロップアウト後、彼らは自分たちの状況をどう処理するのですか?
A6. 自分で就職先を探すしかない。結局とび職とかにしかなれないので、よ り良い道を一緒に考えていました。それらの出来事がきっかけで、彼らをサポートする生涯学習に興味が出たんです。彼らは決して能力が低いわけではなく、ただ馴染めなかったり、タイミングが悪かったりしただけなんですよ。そういう人たちのために必要な大人のための学校のようなものをまさに今勉強しているんです!
Q7. 大学院にコロンビアを選んだ理由は何ですか?
A7. アメリカの方が生涯学習の分野は発達していますよね。その中で、コロンビアのアダルトラーニングとリーダーシップは、アメリカで一番古く、歴史があるから選びました。
◆コロンビアでの生活
Q8. 今の詳しいコース内容を伺っても良いですか?一日の流れも教えて頂きたいです。
A8. 月曜日→朝起きてからずっと夕方にある授業の準備です。夕方5時から「グループ・ダイナミックス」を受講します。グループの形成に伴い、なぜいじめが起きるのか?などを研究するんです。
火曜日→「アダルトラーニングエジュケーション」の受講です。こちらは生涯学習についての講義ですね。子供の学びと大人の学びは何が違うのか、といったことを研究します。大人は経験があるから、その経験をどうやって習に繋げて行くのかを勉強しています。この分野は企業のリーダーシップ育成などでもよく使われますね。どういう仕事を与えたらリーダーシップを開発できるのか?なども研究しているので。
Q9. 授業の準備はどれくらい必要ですか?
A9. パーティシペーションが必要なクラスでは予習は必須!基本的にリーディングをしていないと先生の話を理解することさえ困難です。一つのコースで毎週60ページくらいの量を事前に読みます。
Q10. 男女比率は如何でしょう?留学生の構成比は?
A10. 7:3くらいで女性が多いです。留学生で多いのは中国人ですね。総生徒数5000人で、留学生はほぼ中国人。あとはアメリカ人ですね。
Q11. アメリカ人が大半の環境の中で、マイノリティの意見はどうやって受け入れられているのですか?
A11. 最初は全く発言できなかったですよ。基本的にみんな先生の話を遮って質問するんです。そこに入っていくのは、最初はすごく難しかった。今では慣れてきましたね。でも、クラスでの発言力は未だに弱い。教授の講義スタイルによって、発言し易いクラスもあります。
Q12. 授業の満足度は10点満点で何点ですか?
A12. 満足度は9、10点くらい!勉強したい内容の学部に受かったので満足度は非常に高いです。授業についていくのは大変ですが、教授陣はすごいヘルプフルですよ。でもアカデミックアドバイザー(AA)にもよるので、キャンパスビジットの際に自分のAAになりそうな教授と会っておくと良いですね。
Q13. キャンパスビジットの際に、教授にコンタクト取ってOKなんですか?
A13. OKです。クラスの聴講もよくしていますよ。
◆リーダーシップ
Q14. 現在リーダーシップ開発も学ばれていますが、ご自身がリーダーシップを発揮した経験はありますか?
A14. 前職で200人の生徒&40人の先生を統括していた時に経験しました。具体的には、生徒数が減っていた教室の立て直しをした時に、問題発見・問題解決のプランニング、実行の全てをやりました。何か新しいことやるときは賛否両方出るので、一人一人と向かい合い話し合ってプロジェクトを進めなければいけません。実際あったことでは、会社の方向性とある教室の方向性がずれていたんです。教室は高校生を増やしたいが、会社は中学生を伸ばしたい。ゆえに全社商品開発で開発した商品が使われないという現状があったんです。
Q15. リーダーシップの発揮とは、人間力が必要で、失敗したら組織が崩壊するセンシティブなものですね。
A15. 状況を変えないといけない時と周りを引っ張っていく時に発揮するリーダーシップは違うと認識しています。
Q16. なぜご自身が塾立て直しに成功したと分析していますか?
A16. ビジネスにおいて、どこから売上をあげるかの判断が良かったのではないかと思っています。学力と家庭の所得は相関関係。ビジネスの範囲内では学力が低い子供の多い低所得層を支援するのは難しい。でもそこがやりたいことでした。だから、まずは売上が上がる層(中間層以上)にフォーカスして、塾を立て直してから、低所得者層の支援という順番を踏んだんです。その判断が良かったと思っています。
◆大学院出願
Q17. 大学院出願に必要なことはありますか?コロンビアのケースでお聞かせ下さい
A17. IELTS7.0は必須です。GREスコアは合計305を超えていたら大丈夫。GREを重視するコースとしないコースは、大学院の中でも様々ですね。私のコースは、ステートメントオブパーパスが重視されます。レコメンは大学時代のゼミの教授、会社の社長、大学野球部の監督から貰いました。それから、レジュメも必要です。面接はコロンビアでは基本的にないですね。
Q18. 何年計画で出願したのでしょう?
A18. 1年半計画でしたね。
Q19. 毎日どれくらい勉強していましたか?
A19. 平日は2.5~3時間。休日は一日中。独学です!
Q20. 英語は得意でしたか?
A20. ほぼゼロスタートです。TOEFLで受験しました!
Q21. コロンビアはプロフェッショナル(英語を先にレベルアップさせるための準備コース)はありますか?
A21. 他のカレッジはあるかもしれませんが、ティーチャーズカレッジにはないですね。TOEFL100、IELTS7.0で初めて書類を見て貰えるレベル感です。それらさえ超えていたら、どこまで高くてもあまり関係ないですね。あとはレジュメなどの書類も重要です。
Q22. エッセイは誰かに見て貰いましたか?
A22. エッセイだけプロの講師に見て貰いました!
◆ これからの進路
Q23. これからの進路はどのようにお考えですか?
A23. 2015年12月に卒業予定です。その後は、日本の生涯学習の発展に貢献したいですね。民間企業や、企業の人事部をやるのもありだし、教育機関で働くのもひとつの選択肢かな。
Q24. では卒業後は帰国されるんですか?
A24. 日本の教育の発展に貢献したいので、最終的には帰る予定です。
Q25. 就職活動はどのようになさるのですか?
A25. ボスキャリが大きいですね。
Q26. どのような企業を受けようと思っていますか?
A26. ボスキャリで教育系の企業はないので、人事部を受けることを考えています。
Q27. そういう人は多いのでしょうか?
A27. 自分のコースでは多いですね。企業の人事部か、組織開発系のコンサルを受ける人多い。
◆受講者からの質問
Q28.ビジネスを起こすことを考えると、EMBAを選ばなかった理由は?
A28. ビジネス系は受からないと事前カウンセリングでわかったので、教育大学院ならば狙えそうでした。自分のコースは、100%学校の先生用のコースではなく、ビジネス6割:教育4割くらいの内容なんです。
Q29. どうしてゼミ教授からレコメンを貰ったのでしょうか?
A29. アカデミアとビジネスとのコネクションを強くしたいとステートメントオブパーパスに書きましたので、ビジネスサイドと学校と、両方からコネクションがあるということを示したかったんです。
◆ 最後に一言
コロンビアのいいところは、総合大学であるところです。いろんな人に関われます。また、立地的にもNYは優秀な人が集まる場所。留学するには、英語の試験がまず難関でしょうが、皆さん頑張って下さい!