こんにちは、アルファアドバイザーズの黒岩です！
今日は、米系最強ヘッジファンド「シタデル（Citadel）」について詳しく解説します。シタデルは世界トップクラスのヘッジファンドであり、年率30％超のリターンを叩き出す運用実績や、20代で年収数千万円超も可能な破格の報酬水準などで知られています。特にインターンの報酬は「月280万円相当」とフィナンシャルタイムズで報道されるほどの給与であり、金融志望の学生にとってまさにドリーム企業の一つです。

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▼シタデル創業者ケネス・グリフィンの最新記事（AIと資産運用について）＞Citadel founder Ken Griffin says AI isn't going to be a game changer for the investment business

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米系ヘッジファンド「シタデル」とは？

1. 企業概要

創業者と設立
シタデル（Citadel LLC）は、著名投資家ケネス・C・グリフィンによって1990年に創業されました。グリフィン氏はハーバード大学在学中から取引を始めた人物であり、卒業後わずか1年でシタデルを立ち上げています。

■本拠地とグローバル展開
創業以来シカゴに本社を置いていましたが、2022年に本社機能をフロリダ州マイアミに移転しました。現在はマイアミをグローバル本社とし、北米・欧州・アジア各地に17拠点以上を構えています。世界規模でビジネスを展開しており、日本人を含む各国の優秀な人材が集まっています（東京にオフィスはありませんが、香港やロンドンなど近隣地域での活動があります）。

■規模（運用資産・社員数など）
シタデルは世界有数のヘッジファンドであり、運用資産残高（AUM）は2024年6月時点で630億ドル、2025年1月には650億ドルを超えました（約9兆5千億円超、1ドル=145円換算）。これは世界のヘッジファンド運用会社の中でも上位に位置し、特にマルチストラテジー運用会社としては世界第2位の規模を誇ります。社員数は約2,900名にのぼり、関連会社のシタデル・セキュリティーズを含めると約4,000名規模となります。創業者であるグリフィン氏は現在でも約85%の持分を保有する筆頭株主です。

■実績
シタデルは30年以上にわたり卓越した運用実績を残してきました。累計の投資家利益は2022年時点で740億ドル（約10兆7千億円）に達し、これはブリッジウォーターを超え、ヘッジファンド史上最大の累積利益とされています。2022年には主要マルチストラテジー・ファンドで年率38%を超えるリターンを記録し、単年利益額として過去最高を更新しました。こうした実績により、シタデルは業界内でも非常に高い評価と存在感を持つ企業です。

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2. ビジネスモデル

1. マルチストラテジー運用
シタデルはマルチストラテジー型ヘッジファンドの代表格であり、以下の5つの主要戦略を柱とする分散ポートフォリオを運用しています。

・株式（エクイティ）：企業のファンダメンタルズ分析やクオンツ手法による株式のロング・ショート戦略
・コモディティ：エネルギー・金属・農産物などの商品市場における裁定取引やマクロ取引
・クレジット＆転換社債：社債や転換社債の価値に着目した相対価値戦略（例：転換社債アービトラージ）
・グローバル金利＆マクロ：国債・為替・金利デリバティブ等を駆使し、各国のマクロ経済動向に基づく取引
・グローバル定量（GQS）：統計的アービトラージや高頻度取引（HFT）など、アルゴリズムとビッグデータ解析による定量的戦略

これらの戦略を同時並行で運用することにより、一部戦略の不振を他の戦略の利益で補完し、市場環境に対して安定的なリターンを追求する構造となっています。実際に2023年には全戦略が黒字を記録し、旗艦ファンドは約15%の年リターンを達成しています。分散と低相関を活かし、一貫して成果を生み出すことを目指すのがシタデルの特徴です。

2. ポッド型運用体制とメリトクラシー
シタデルは「ポッド」型と呼ばれる運用体制を採用しています。これは、各戦略領域ごとにポートフォリオ・マネージャー（PM）、トレーダー、アナリスト、クオンツなどの小チームを組織し、それぞれが一定の裁量を持って戦略を実行する仕組みです。全社レベルでは厳格なリスク管理と資本配分ルールが定められており、チームごとの損失許容度（ドローダウン限度など）も明確に設定されています。成績不振のチームには早期に見切りを付ける一方で、成果を上げたチームには積極的に資本を再配分するなど、完全なメリトクラシーが徹底されています。この制度により、全体最適と各チームの専門性の両立を図る経営が可能となっています。

■収益源
シタデルの主な収益は、投資収益およびそれに伴う成功報酬（パフォーマンスフィー）によるものです。通常、クライアント資金に対して管理報酬（Management Fee）と成功報酬が課されます。具体的な料率は非公開ですが、一般的な「2と20」モデル（管理報酬2%、成功報酬20%）に準ずると見られています。特に近年は高い運用成績によって成功報酬の収入が大きくなっており、会社全体の利益構造に大きく寄与しています。また、創業者であるグリフィン氏自身もファンドに多額の自己資金を投資しているため、自己資本運用益も会社の収益源の一つとなっています。

■関連会社：Citadel Securitiesとの関係
シタデルには、関連会社として「シタデル・セキュリティーズ（Citadel Securities）」が存在します。2002年にグリフィン氏によって設立されたこの企業は、株式・オプション・債券・FXなどのマーケットメイキングを行う電子取引会社です。米国株式市場においては個人投資家注文の約40%を占める最大手マーケットメイカーであり、ニューヨーク証券取引所（NYSE）の指定マーケットメイカーでもあります。

法的にはシタデルLLCとは完全に独立した別法人であり、情報の遮断（Chinese Wall）も設けられています。そのため、ヘッジファンド部門と証券部門は取引情報を共有しないことが制度的に保証されています。また、両社は経営陣も異なり、収益構造や業務内容も独立しています。ただし、創業者が同じであることから、企業文化の一部を共有したり、人材交流が行われることもあります。たとえばCOVID-19の影響下では、両部門合同でインターン研修が実施されるなど、グループ全体としての人材育成が進められています。基本的には、シタデル＝ヘッジファンド（投資運用業）、シタデル・セキュリティーズ＝証券マーケット業という明確な役割分担があり、応募の際は志望先をしっかりと区別する必要があります。

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3. ヘッジファンドの運用手法（代表的戦略と特徴）

シタデルのようなマルチストラテジー・ヘッジファンドでは、さまざまな投資戦略が駆使されています。以下では代表的なヘッジファンド戦略とその概要・特徴を説明します。

■マーケット・ニュートラル（市場中立）戦略
株式等において同額のロング（買い持ち）とショート（売り持ち）を同時に行うことで、市場全体の上げ下げによる影響を抑える運用手法です。例えば成長が見込まれる銘柄をロングすると同時に、割高だと判断する別銘柄をショートすることで、市場全体の影響を除去し、個別銘柄の選定によるアルファを狙います。市場下落時でも収益を追求できる反面、市場全体が上昇する局面ではパフォーマンスが見劣りするリスクがあります。ロングとショート双方で損失が出ることもあるため、銘柄選定の精度が問われます。

■統計的アービトラージ（Statistical Arbitrage）
統計モデルと大量のデータ分析に基づいて、一時的な価格の歪み（ミスプライシング）を検出し、その収束過程で利益を得る戦略です。相関の高い銘柄の価格乖離に注目するペアトレードが代表的で、一方をロング、他方をショートする形で市場の方向性に依存せずにリターンを追求します。前提となる相関関係が崩れるリスクがあり、また短期・小幅な価格乖離を狙うため、高速アルゴリズム取引が不可欠です。シタデルではGQS（グローバル定量戦略部門）がこの戦略を担当しています。

■転換社債アービトラージ（Convertible Bond Arbitrage）
株式に転換可能な社債（転換社債）と、対応する株式との価格差に着目した相対価値戦略です。転換社債が割安、株式が割高と判断される場合に、転換社債をロングし、株式をショートすることで、上下どちらに動いても利益を追求できます。市場中立型であり、グリフィン氏も学生時代にこの戦略で成功を収めています。ただし、価格評価・ヘッジ比率の管理・市場急変時のリスクなど、非常に高度な知識が求められます。

■グローバル・マクロ（Global Macro）
マクロ経済指標や政策動向に基づき、株式・債券・為替・コモディティなど多様な市場でポジションを取る戦略です。利上げ・地政学リスク・経済成長予測などをもとに方向感を持って取引を行うため、ボラティリティは高いものの、成功時のリターンも大きいのが特徴です。シタデルでは「グローバル金利＆マクロ」部門がこの戦略を担い、特に金利裁定や債券取引において強みを持っています。

■イベント・ドリブン（Event Driven）
M&A、破綻、再編など企業イベントに基づく価格変動を狙う戦略です。合併裁定（M&Aアービトラージ）では買収提案先の株式をロング、買収側の株式をショートすることで、買収成立時の価格収斂による利益を狙います。その他、破綻企業の債券への投資（ディストレスト投資）や新製品発表に基づくトレードも含まれます。シタデルではクレジット＆株式チームが協働して取り組んでいます。

このように、シタデルは「幅広い戦略のデパート」とも言える存在で、定量から定性までのカバー範囲が非常に広い点が特徴です。物理学PhDによるアルゴリズムチームから企業調査に長けたアナリストまで多様な人材が活躍しており、応募者にはその分、柔軟性と広い知見が求められます。

年収・報酬水準

■インターン報酬
シタデルはインターン生にも破格の報酬を支払うことで知られています。2023年夏季インターンでは、月額1.92万ドル（約280万円）の給与が提示されたと報じられました。これはフルタイム換算で年収230,000ドル（約3,300万円）相当となり、全米平均年収の約4倍にあたります。加えて、インターン期間中はビジネスクラス航空券での渡航、高級ホテルでの宿泊、役員との交流ディナーなど、トップクラスの待遇が提供されます。応募約7万名の中から選ばれるごく少数のインターン生に対して、将来のスター人材を囲い込む狙いでこれほどの投資がなされるのです。一部のインターンには、プログラム修了後に返済不要の奨学金付きオファーが出され、卒業までパートタイムでコミットするケースもあります。

■新卒（フルタイム）初任給
新卒で入社した場合も、シタデルの報酬水準はウォール街でも最高レベルです。たとえば、学部卒のソフトウェアエンジニア職では基本給が20万～25万ドル（約2,800万～3,500万円）に設定されています。ここに業績連動のボーナスが加わると、初年度から30万～40万ドル（約4,000万～5,500万円）以上の年収も狙えます。実際、社員の報告ではソフトウェアエンジニアの年間報酬は22.4万～30.9万ドル、クオンツリサーチャーでは32.4万～50.4万ドルとされており、特にクオンツやトレーダーはボーナス比率が高く、20代でも年収数億円に達する例があります。福利厚生も極めて充実しており、高級医療保険、401k年金プラン（会社拠出あり）、食事補助、住宅手当などが整備されています。

■役職別の目安
新卒や若手のうちは高水準の固定給と賞与による安定した報酬が支給されますが、中堅以上になると報酬は運用成果に連動する歩合制の要素が強まります。ポートフォリオ・マネージャー（PM）クラスになると、自身のパフォーマンスに応じた利益の一定割合が報酬となり、成功すれば年数十億円単位の年収となる場合もあります。一方で成績不振の場合は報酬ゼロや解雇のリスクもあるなど、非常に厳しい環境です。ただし、新卒段階では固定給の割合が高く、実力を伸ばす環境としても優れていると言えます。

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採用情報・イベント

■採用サイトと募集職種
シタデルでは、公式キャリアサイトにて通年でさまざまな採用ポジションが公開されています。新卒向けには「Software Engineer – University Graduate」や「Quantitative Researcher – PhD Full-Time」などがあり、分野別に募集枠が設けられています。また、毎年夏には11～12週にわたるサマー・インターンシップが実施されており、応募締切は例年12月～2月頃と早めです。その他にも学年や時期に応じたオフサイクル・インターンや長期のコーププログラムも存在し、それぞれの応募要項には専攻や求められるスキルが明記されています。応募はレジュメのオンライン提出から始まり、選考が進みます。

■日本人向け採用イベント
日本人学生やプロフェッショナルを対象に、ボストンキャリアフォーラム（BCF）やロサンゼルスCFN、近年ではCFNオンラインなどでもシタデルの求人が見られるようになっています。実際に「International Equities – 2025 Internship (Asia)」といったアジア地域向けのインターンが掲載されたこともあり、日本からの応募も可能でした。選考はビデオ面接やオンラインテスト形式が主流で、リモート環境でも海外拠点の選考を受けやすくなっています。CFN会場でのブース出展や、各種SNSでの求人情報の発信も確認されており、日本国内の大学生もチャンスがあります。さらに、Alpha Academyなどによるウェビナーや解説記事も参考になります。公式イベント以外でも、シタデル主催のハッカソンやケースコンペに積極的に参加し、採用関係者との接点を持つことが有益です。

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5. 応募者向けまとめ（心構えと準備）

◯圧倒的な競争環境を理解する
シタデルへの応募は、世界トップレベルの競争に挑むことを意味します。応募者の多くはシタデル、DEショー、ツーシグマ、ミレニアムなど、世界的マルチストラテジー・ファンドを志望する最上位層です。この現実を直視しつつも怯まず、挑戦者として入念な準備をする姿勢が不可欠です。
内定率はごくわずかですがチャンスはあります。確かにアメリカ本社やイギリスなどの主要拠点になれば内定競争は熾烈を極めますが、シンガポール/香港などのオフィスでは「アービトラージオポチュニティ」があります。例えばハーバードやMITを卒業したアメリカ人が香港オフィスに配属されることはなく、基本的にはアジア人同士の争いになり、アイビーリーグやオックスブリッジを卒業したスーパーエリートとの競争を避けることができます。シタデルは確かに世界的にも飛び抜けた人材が集まる企業ですが、地域差があることを心得ておきましょう。

◯優先すべき準備
効率的な準備のためには、自分が志望する職種に求められるスキルを逆算し、計画的に学習を進める必要があります。クオンツやエンジニア志望であれば、アルゴリズム・数学・コーディング、トレーダー志望であれば、直感的な数理力・市場知識・スピード、リサーチ志望であれば専門知識と論理的思考力を重点的に強化すべきです。特に、突出したスキルや実績を持つことは大きな武器になります。シタデルのような企業はアカデミック面も重要視しますので、高いGPAを保つことはもちろん、競技プログラミングの上位ランク、研究での論文発表など、他者と差別化できる要素を備えることが重要です。これらのハードスキルはもちろん重要ですが、加えてソフトスキル、つまりヘッジファンドの厳しい競争に耐えうるだけのマインドセットを持ち合わせているかも非常に重要です。ハードとソフト、バランスよく対策していくことが重要ですし、このバランス感覚はアルファ受講生の圧倒的内定率の秘訣でもあります。

◯実績づくりと情報収集
情報収集を行い、シタデルに有効なガクチカ、実績を作っていきましょう。Kaggle等のデータサイエンスコンペ、数学オリンピック、ハッカソン、ビッグテックでのインターンなども評価されます。これらは実力の裏付けとして履歴書で強くアピールでき、面接時の話題にもなります。ただ、重要なのは「Whatの大きさ」ではありません。数学オリンピックで金メダルをとったからといって内定できるわけではありません。小さくてもいいので自発的にやってみること、さらになぜそれを頑張れたのか、行動原理とモチベーションもセットで話せるようにしておくことが重要です。

◯メンタル面の心構えと入社後の姿勢
選考過程は厳しく、途中で挫折することもあるかもしれません。だからこそ我々のようなプロアドバイザーを頼っていただき、客観的かつ効果的なサポートと、メンタル面のケアも欠かさずに行いましょう。「一人で就活するな」とアルファでは繰り返し警鐘を鳴らしています。この理由は、もちろん就活のノウハウもありますが、メンタル面で追い込まれないようにすることも大きな要因です。一人で就活を行い、落ちてしまい、その原因もわからないので改善もできない、結果また落ちてしまう、精神的に追い込まれて酷い時には「就活うつ」になる、という方のご相談を多数受けてきました（先日も就活うつになった早慶学生さんの親御さんからご相談をいただきました）。このような事態を避けるため、ぜひアルファにご相談いただき、信頼できるアドバイザーと共に就活という厳しい荒波を乗り切っていきましょう！いつでもサポート致します！

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まとめ：シタデル内定への道は準備で決まる

シタデルは、世界屈指の実力主義かつ報酬水準が破格のヘッジファンドです。単なる「高年収企業」ではなく、金融・テクノロジー・学術の最前線で戦える場であり、20代から世界市場でインパクトを与えられる環境が整っています。その一方で、応募者の大半はハーバード・スタンフォード・MIT・オックスブリッジといった世界トップ大学の最優秀層です。数万名規模の応募の中から、ほんの一握りしか通過できないため、圧倒的な準備と戦略が必須となります。しかし、正しい戦略と準備を重ねれば、日本からでも内定は十分に可能です。実際にアルファでは、シタデルやPoint72をはじめとするトップヘッジファンド、さらにはゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレー、ブラックロック、GAFA、MBB、商社など国内外の最難関企業への内定者を多数輩出しています。

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